簿記って何?

(1)簿記の意味と目的

法人や個人事業者の活動は、モノやサービスを仕入れたり売ったりすることだけに限られません。
人を雇って給料を払ったり、出張に行ったり、広告宣伝をしたり、得意先を接待したり、家賃や電話料金を払ったり、材料を保管したり・・・、
さまざまな活動が組み合わされて、事業の成果を生むようになります。


さて、この活動がうまく進んでいるかどうかは、どうやって知ることができるでしょうか?
ただ「商品がたくさん売れた」とか「残業をいっぱいした」というだけでは活動結果を表すモノサシにはなりません。
客観的な目に見える形で置き換えるのが、「簿記」の仕事です。


「簿記」は、買ったり、売ったり、運んだりという事業活動を数字に置きかえ、記録・集計し、働きの成果を数字で表す役目をします。
それによって、今後どのような事業活動をしていくかを判断する大きな材料にもなります。
数字への置きかえや表し方を正しく行う為には一定のルールがあります。

Point!
◎簿記とは事業を営むことによって生じるお金やモノの出入りを一定のルールに従って帳簿に記録すること

◎簿記の目的は、「いくら儲けて(あるいは損して)」、「財産がどう変化したか」を明らかにすること

(2)会計期間

簿記では法人や個人事業者の儲けや財産を「会計期間」ごとに区切って計算します。
会計期間の初日を「期首」、最後の日を「期末(決算日)」といいます。
会計期間は、個人事業主の場合は「1/1〜12/31」の1年間です。
法人は、いつからいつまでにするかはその法人の自由ですが、1年間としている法人が多いです。
以下の説明では会計期間を1年間とした場合とします。

(3)簿記の流れ


取引  簿記でいう「取引」とは、必ず「お金やモノの出入りがあって、帳簿に記録されるような行為」です。 
 

仕訳   取引が生じるとすぐに「仕訳」という作業を行います。 取引を帳簿のどこにどのように記録するかを決める、最も大切な作業です。
 

記帳   仕訳した取引を「仕訳帳」という帳簿に記録→「総勘定元帳」という別の帳簿にも書き写します。
 

「仕訳帳」と「総勘定元帳」は必ず記録しなければならない『主要簿』です。

他に任意でつける『補助簿』というものがあります。(例:売掛帳、買掛帳・・・)
※一見難しそうですが、後で述べる『会計ソフト』を使うと、ひとつの帳簿に1回記録すれば、 関連する帳簿に自動的に書き写してくれます。書き写すことを『転記』といいます。

決算   決算 1年間の取引の総まとめとして「儲け」と「財産」を計算する作業。 これをまとめたものが財務諸表です。

  →損益計算書・・・1年間の「儲け」(経営成績)
    貸借対照表・・・期末の「財産」(財政状態)

Point!
◎「損益計算書」と「貸借対照表」を完成して、1年間の「儲け」と「財産の状況」を知ることが簿記の目的!

◎直近1年間の事業状況を把握して、さらに今後の意思決定を行う上で、簿記が必要!

◆月次決算
会社の管理上の問題として、1カ月単位で儲けの計算をすることもあります。
いわゆる月次決算というものです。
会社がどれくらい儲かっているか判断するのに、1年に1回しか確認できないのは、経営意思決定を行う上で、 遅すぎてしまこともあるからです。

(4) 資産・負債・資本(純資産)・費用・収益とは?

 簿記の目的は「損益計算書」と「貸借対照表」をつくることですが、その為には覚えておかなければならない用語や ルールがいくつかあります。
まず最初に次の5つを覚えましょう。

資産 ・ 負債 ・ 資本(純資産) ・ 収益 ・ 費用 

このうち資産・負債・資本(純資産)の3つは、財産に関係するもので、「貸借対照表」をつくるうえで必要になります。
費用・収益は、儲けを表す「損益計算書」をつくるために必要です。
そして、これら5つはそれぞれさらに細かく「勘定科目」というものに分かれます。


(5) 勘定科目とは

例えば「資産」で説明します。
「資産」というのは、法人や個人事業者がもっている財産のことです。
ただ、それを人や時によってまちまちな名称を使っていたのでは、帳簿を見てもよくわからないし、業績も正しく評価できなくなってしまいます。

そこで、共通の名称が決められています。
この共通の名称のことを「勘定科目」といいます。
例えば、お金のことを「現金」、自動車のことを「車両運搬具」といいます。
あとでよく使う「勘定科目」をご紹介します。

※一見難しそうですが、会計ソフトを使用する場合、あらかじめ「勘定科目」が登録されているので、その中から該当するものを選択します。
簿記や経理が初めての方は、どの「勘定科目」にするのか悩まれる方が多いですが、

 大事なポイントは、

◎「資産」、「負債」、「資本(純資産)」、「収益」、「費用」のどれに属するかを間違えないこと。

◎同じ内容のものは、ころころ「勘定科目」を変えたりしないで統一すること。