会話形式で楽しく学ぶ税務基礎講座
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文書作成日:2020/11/10



 所得金額調整控除の年収要件は、給与が複数あるときはどうしたらいいですか?


出演:  … M社 経理部部長   … 顧問税理士



― M社 ―

M社経理部古門部長が顧問税理士へ、電話をかけています。




 先生、ちょっといいですか。




 どうされましたか。




 じつは、弊社の相談役ですが。




 はい。




 弊社の給与だけですと年収600万円なのですが、関係会社すべての給与を合わせると年収が1,140万円になります。
  弊社で年末調整しますので、年末調整の申告書を提出いただく必要があるのですが、所得金額調整控除申告書に記入してもらうことになるんですかね?




 必要ありませんね。




 え?
 でも、1,140万円ありますよ。




 貴社での年末調整時に適用する所得金額調整控除は、あくまで貴社で行う年末調整の対象となる給与等の収入金額で判断します。
 つまり、判定となる金額は600万円です。
 所得金額調整控除の適用要件の一つである、“年収850万円超”に該当しないため、記入いただく必要はありません。




 そうでしたか。
 それでは、その部分の記入は不要ですね。
 よかった。
 説明がちょっと大変だなぁ、と困っていたので。




 そうでしたか。
 ただ、1点注意があります。




 何ですか?




 「給与所得者の基礎控除申告書」に、相談役ご本人の合計所得金額の見積額を記入していただく欄があります。ここでの給与収入はあくまでも、すべての給与を合算した1,140万円になります。




 ああ、そうですね。
 本人の合計所得金額の見積額の計算については、今までと変わりない、ということですね。




 はい。
 ご理解のとおりです。
 そして給与所得金額を計算する際には、1,140万円をベースに所得金額調整控除の適用可否を判定いただくことになります。




 え?
 先ほど、600万円って…。




 はい。
 それは、貴社での年末調整時の適用に関することです。
 ここは、相談役ご本人の合計所得金額の見積額を計算するわけですから、当然、合算後での給与収入で判断する必要があります。
 つまり、1,140万円は850万円を超えているわけですから、他の要件すべてを満たすのであれば、所得金額調整控除を適用することとなります。




 え?
 ちょっと理解が…。




 年末調整は、あくまでもベースは年末調整の対象となる給与です。
 それは、貴社からの給与収入のみですね。
 中途入社の前職ありの者でその年に前職からの給与があれば合算しますが、ここでは話がややこしくなるので省きますね。




 そうですね。
 はい。省いてください。




 年末調整時の給与に係る所得金額の計算、つまり給与所得金額計算時における所得金額調整控除の判定は、年末調整の対象となる給与、つまり貴社からの給与が年収850万円を超えているか否かで判断します。




 はい。




 他方、基礎控除額がいくらになるか、については、あくまでも本人の合計所得金額の見積額で判断することとなります。
 そこでは、給与はすべての給与収入を合算して、所得金額を計算するわけです。




 そうですね。




 ですから、そこでの給与所得金額の計算は、その給与収入について所得金額調整控除が適用できるか否かを判断するわけです。




 ああ。
 見る給与収入が違う、というわけですね。




 ご理解のとおりです。
 複数の給与収入先がある場合には、ご注意いただきたい点ですね。




 ということは、説明しないといけないのかぁ。
 困ったなぁ。




 ご健闘を祈っています。




 先生。
 もちろん、同席お願いしますよ。




 …承知いたしました。


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